シンデレラの魔法は解けない
「お仕事、無理されないでくださいね」
「うん。ありがとう」
「良かったらまた、ご飯に誘ってください」
平さんはにっこりと笑い、頷く。
その笑顔に心が掻き乱される。
そのまま平さんはそっと手を差し伸ばし……
あたしの頭を優しく撫でた。
身体にぞわっと震えが走る。
胸が破裂しそうなほど熱を持つ。
ただ平さんが触れただけなのに、こんなに狂いそうになるなんて。
こんなにも全身で恋をしているなんて。