シンデレラの魔法は解けない








平さんの作った料理は、とても美味しかった。

一口食べるとお腹が空いていることに気付き、夢中になって食べてしまった。

その間、平さんは換気扇の下で煙草を吸いながら、何かの資料を見ている。

そんな平さんに、



「お仕事のところ、呼んでしまってすみません」



思わず謝っていた。




平さんは顔を上げ、あたしを見る。

そして、優しい笑みを浮かべて告げる。




「俺は藍ちゃんの力になりたいんだよ。

だって、藍ちゃんの彼氏だから」


< 142 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop