シンデレラの魔法は解けない
平さんの作った料理は、とても美味しかった。
一口食べるとお腹が空いていることに気付き、夢中になって食べてしまった。
その間、平さんは換気扇の下で煙草を吸いながら、何かの資料を見ている。
そんな平さんに、
「お仕事のところ、呼んでしまってすみません」
思わず謝っていた。
平さんは顔を上げ、あたしを見る。
そして、優しい笑みを浮かべて告げる。
「俺は藍ちゃんの力になりたいんだよ。
だって、藍ちゃんの彼氏だから」