シンデレラの魔法は解けない
「今日は遅いし、てきとうなものでもいい?」
平さんの言葉に、大きく頷いていた。
平さんは優しくてお洒落でかっこいいだけではないらしい。
料理まで出来るんだ。
その証拠に、てきとうなものなんて言う割には生姜焼きと野菜の煮物、味噌汁なんかが出てきてびっくりしてしまった。
「あの……ありがとうございます」
紅くなって俯くあたしの頭を、平さんは優しく撫でる。
平さんが触れただけで胸が甘く疼き、顔がさらに紅潮するのだった。