シンデレラの魔法は解けない
そんな武雄に声を荒げたのは、
「あんた、いい加減しな!
黙って聞いてれば、腹が立つな」
なんと原さんだった。
あたしの横で腕を組み、ドスの効いた声で武雄に言う。
そんな原さんを、
「やめろ」
平さんは静止させる。
「とりあえず、警察行きましょう」
「は!?」
「喧嘩の続きは、警察署でやりましょう」
警察と聞き、武雄と麻友は青ざめていた。
もちろん、だらしなく身を屈める男も。
そして、案の定逃げようとする。
そんな武雄と麻友の腕を瞬時に掴み、
「逃げるとか卑怯ですよ」
平さんは静かに告げた。