シンデレラの魔法は解けない
高級なブティックが並ぶこの通りに相応しい、落ち着いた高級感のある美容室だった。
そして、その美容室の看板を何気なく見たあたしは、言葉を失っていた。
『luce』
それはファッション誌を読んだことのある女性は、誰でも知っている店名だ。
多くの女性誌に引っ張りだこの超有名美容室。
予約すらなかなか取れないというほどの人気店だ。
その高級感溢れる扉を、何の躊躇いもなく平さんは開ける。
そしてあたしは、
「ち……ちょっと待ってください!」
思わず言葉を発していた。