シンデレラの魔法は解けない
それからは、瞬く間に時間が過ぎていった。
ぽかーんとしているあたしは、美容室の奥の個室に案内されて、そこでオーナーの菅井さんに髪をカットされた。
どんな髪型がいいなんてリクエストする間もなく、菅井さんは思い通りにハサミを動かす。
そして、カラーリングされ、パーマまでかけられる。
菅井さんがパーマのロッドを頭に巻きつけている時に、平さんは用事があると言い始める。
ちょっと、平さん。
あたしを置いていかないでください!
そう言おうと思った時にはすでに平さんの姿はなくて、菅井さんとの空間に、気まずい沈黙が漂った。
その沈黙を破ったのは、意外にも菅井さんだった。