シンデレラの魔法は解けない
嘘だと言って欲しかった。
だけど、嘘だと言うような雰囲気ではなかった。
だから、嘘ではないのだろう。
何も言えず、ただ震えるあたしに麻友はにこやかに告げる。
「藍、ここは親友に免じて許してよ」
親友に免じて?
意味が分からない。
「ちゃんと結婚式も呼ぶからさ」
何、その訳の分からない出欠の打診は。
麻友の言葉に唖然としつつも、ようやく声に出した言葉。
「呼ばなくていい」
その声は、醜く震えていた。
そんなあたしの言葉を聞いて麻友と武雄は笑う。
まるで、あたしの動揺っぷりを見て楽しんでいるかのように。