シンデレラの魔法は解けない
顔を踏みつける足の力が、少し緩んだ。
それと同時に、
「てめぇ、ボコられたいんか!」
男性の荒い声が聞こえる。
「ボコる?ガキかよ。勝手にしろ」
あたしの大好きな声が、鼻で笑いながら馬鹿にするように言う。
無様に地面に這いつくばりながらも、違和感を感じた。
オトナで紳士の平さんが、こんな話し方をするなんて。
まるで、羊が狼になったようだ。
そして、そんな平さんの言葉すら、あたしを焦がして止まない。