インタビューはくちづけの後で
広い玄関に入ると、瑞希さんは私の頭を抱えて、長いキスをする。

私が大人しくくちづけを受けていると、ふと、唇を離したので、

「なぜ、私を避けるんですか?」ともう一度聞くと、

「避けなければ、俺は芽衣に何をするかわからない。」

とふてくされた顔で私の体を離して部屋に入って行った。

私は追いかけて部屋に入り、



「先週の週末はひとりで乗馬に出かけたんですか?」

「また、質問か?」とソファーに座って私の顔を真面目に見る。

「そうです。」と前に立って見つめると、

「しばらく…俺の頭が冷えるまで、考える時間をやろうと思ってたのに…」と私の手を掴んで引き寄せ、

瑞希さんの膝の上に私を横抱きにして座らせる。膝に座るとやたらと顔が近い。
瑞希さんは私を見つめたまま、ゆっくり顔を近づけてくる。
私が目を閉じると、

「芽衣は馬鹿だな。俺が芽衣を手放すとでも思ったのか?」と深く唇を重ねた。

私は安心して、瑞希さんの背中に腕を回す。



なーんだ。

嫌いになったわけじゃなかったんだ。

急に離れたから、心配しちゃったじゃない。



この間よりも少し上品な長いくちづけは次第に熱を帯び、服の上からもどかしそうに何度も私の身体を撫でている。

「俺は芽衣に嫌われたくない。でも、もう、我慢できない。
今日は帰さなくて、いいのか?」と唇を急に離して怒った声で聞くので、

「質問ですか?」と笑いかけると、

「違う。確認だ。」と私を抱き上げ、真っ直ぐ歩き出す。



あれ?煽(あお)りすぎた?

このままベッドに直行?

シャワーぐらい浴びさせてほしい。と思ったけど、

すごく大きなベッドにそっと横たえられ、

「俺が嫌じゃないのか?」と覆いかぶさった姿勢で見つめてくるので、

「返事はキスの後で。」と瑞希さんの頭を引き寄せそっと唇を重ねるとすぐに、主導権を奪い取られてしまい、
激しいくちづけの間に
何度も囁くような私の「好き」の声は瑞希さんに届いただろうか…






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