最後の恋のお相手は
雄洋さんに買ってもらった服を着ていくと、頬を緩ませてくれた。私に似合うかどうかは別として、喜んでもらえてうれしい。

高級ホテルの最上階の、鉄板焼きのお店へ連れて行ってもらった。

「いい天気なら、夜景も楽しめるんやけれど」

雄洋さんが、申し訳なさそうにつぶやいた。

「天気だけは、どうしようもないですから」

雨でもデートはキャンセルにならなかった。夜景を楽しめなくても、贅沢すぎる食事と、ふたりの時間は楽しめるから、なんの問題もなかった。

「今度こそ、野球に行こうか? 次は、雨でも大丈夫なドーム球場にな」

「はい」

「その次のデートは、ビアガーデンな。ビアガーデンって、夏が来た感じがするから、好きやねん」

雄洋さんは、何かと忙しい。私のために一日を使ってデートする時間がないのかも? だから、野球とか、ビアガーデンとか。一日を潰さなくてもいいデートを考えているのかな?

「楽しみです」

素直にそう伝えると、微笑みながらそっと頭を撫でてくれた。本当は、高価な物も、お金もいらない。ただ、隣で微笑んで、頭を撫でてくれたらそれで。

ただ、それだけで幸せを感じることができた。

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