わたし、結婚するんですか?
 ……いや、頭から嘘だとか。

 貴方、本当に私のことが好きなんですか? と思ったが、何処がいいのか、とっさに答えられないという遥久の言葉は、逆に真実味があるような気がした。

 まあ、それでもまだ、この人が自分のことを好きだとは、到底、思えないのだけれど。

「じゃ、じゃあ、課長。

 最後に、もうひとつだけ。
 さっきの電話の人は、誰なんですか?」
と問うた。

 遥久は、一瞬、きょとんとしたあとで、そんなことか、という顔をする。

「お前のとこの課長だ。
 この間の就職試験の準備のとき、一部ハガキが紛れてわからなくなったらしくて。

 部下は此処で呑気にしてるが、課長は忙しそうだったぞ」
といきなり嫌味をかまされたが、

「……本当ですか?」
とそこは突っ込んで訊いてみる。

 車は何故かスーパーの駐車場で止まっていた。

 遥久はスマホの着信画面を確認させたあと、いきなり、その番号に発信する。

 ええっ?
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