わたし、結婚するんですか?
 



「だいたいね、課長。
 なんで洸と付き合ってることを隠すんですか」

 ずいぶん酒の入ってきた葉山が、遥久にそう絡み出す。

「社内恋愛なんて、みんな隠すもんだろう」
と遥久は流そうとしたが、葉山は更に突っ込んで訊こうとする。

 ……突っ込んでくれ、私も気になっている、と洸は渋めの赤ワインを口にしながら、葉山を見た。

「隠してても、なんとなく何処からかもれるものですけどね。

 課長と洸のことは誰も知らないようですよ。

 本当に、洸と付き合ってたのなら、目撃情報くらい出てきそうなものですが」

 そんな葉山の言葉に、グラスを手にした遥久は、重々しい口調で言ってきた。

「いや……、目撃者なら居る」

 前に立つもの、みな射殺す、くらいの目つきだった。

 ……なんだかものすごい犯罪犯してる気分になってきましたけど、私。

 課長と私が付き合っているのは、そんなにまずいことなのでしょうか? と思ってしまうが、単にいつもこういう目つきのような気もしないでもない。
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