わたし、結婚するんですか?
 誰とっておかしいだろ、この母親と思っていると、
『あら、会わせたいって人が居るって言ってたからよ』
と仕事をしながら平然と言ってきた。

 たぶん、それは仕事の関係で、葉山が会いたいと言っているという話だったと思うのだが。

 でも、会わせたい人は一応居るし、この間、電話をかわれと言ってたしな、と思いながら、洸は遥久にスマホを渡した。

 遥久は特に表情も変えずに受け取ったあとで、
『初めまして。
 悠木遥久と申します』
と挨拶し、母親と話し始めた。

 遥久の説明に、別に笑うところはないはずなのだが、時折、母親の笑い声が聞こえてきた。

「はい。
 では、明日。

 それでは失礼致します」
と言って遥久が切る。

「……明日ってなんですか?」
と訊くと、

「お母さん、予定が変わって、明日帰ってくるそうだぞ。
 夜、少し時間が取れるから、一緒に食事をしようと言ってきた。

 明日は大丈夫だよな?」
と確認された。
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