わたし、結婚するんですか?
 葉山はもう開いたエレベーターに乗っていた。

 浜崎は、自分と目を合わせると、何故か、階段を駆け上がっていってしまう。

「葉山っ。
 先上がっててっ」

「えっ? なんだよっ」
と葉山も降りようとしたようだが、間に合わなかったようだ。

 何故、逃げるっ、浜崎っ!
と思いながら、洸は浜崎を追いかけた。

 だが、体育会系の彼女はもう三階まで行ってしまっている。

 下から見上げていた洸だが、ちょうど、遥久が四階辺りの階段に現れるのが見えた。

 そのまま上に行こうとしているようだ。

「課長っ。
 捕まえてっ、浜崎っ!」

 その叫びに、浜崎は上の遥久に気がつき、慌てて、三階に戻って、廊下に逃げようとしたが、上から下りてきた遥久の方が速かった。

「待て!」
とその腕をつかむ。

 男の強い力でつかまれた浜崎は、さすがに観念したようで、その場に座り込んだ。

「浜崎……」
とようやく、追いついた洸は彼女に呼びかける。
< 238 / 368 >

この作品をシェア

pagetop