わたし、結婚するんですか?
 



 翌日のお昼過ぎ、

 もうお母さん、帰ったかな。

 結局、葉山に会わせそびれたけど、またすぐ帰るって言ってたし、と思いながら、洸が用事で来ていた総務部の時計を見たとき、ちょうど時計の下にあったFAXからFAXが出てきた。

 近くに居た総務の部長に、
「FAXですけど。
 どうしましょう」
と仕事を兼ねることがあるとは言え、一応、他所の部署のなのでそう訊くと、部長は忙しげに、

「あー、ごめん、津田さん。
 全部取って、僕の机の上に置いておいてー」
と言ってきた。

 はーい、と言いながら、吐き出されてくるFAXを見た洸は、おや? と思う。

 このFAX、うち宛じゃないような。

 送り間違えだろうと思ったが、そこに描かれている図面を見て、ぎょっとする。

 これ……

 まずくないだろうか。

 結構な機密事項では。

 他の会社の三十周年のイベント会場の図面ものらしく、そこで発表する予定の新商品のことまで事細かに書かれていた。
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