わたし、結婚するんですか?
寝室で、洸を膝に抱えた遥久は花束の裏、包んである萌黄色の和紙に書かれた自分の字を見て笑う。
洸、愛してる、と黒いマジックで書かれたそれに、自分は今まで気づかなかったのだが。
遥久はその文字に指先で触れ、言ってきた。
「これは、つい、愛がほとばしって、書いてしまったんだ」
そ、そうなんですか……。
いや、本当にこの人のこういうところ、慣れない。
照れるのでやめてください、と洸は俯く。
遥久は花束をつかんだまま、洸の頬にそっと口づけ、
「初めてわかったよ。
こういうのって、快楽に耽る行為じゃなくて。
本当に心も身体もひとつになるための行為だったんだな」
と言ってくる。
初めてわかるもなにも、私は貴方がたぶん、最初で最後の人なので、一生比べようもありませんけどね……と嬉しいながらも、ちょっといじけた。
それに気づいたように、遥久が睨み下ろしてくる。
「お前、俺しか知らないからって、他で試してみようと思うなよ」