わたし、結婚するんですか?
 




「もう~。
 仕方ない、折れてあげるよ~」
と美沙に言われ、倒壊寸前の駄菓子屋に行ってきた。

「お世話になってる洸ちゃんの彼氏だもんね」

「可愛いーっ、美沙ちゃんっ」
とそのマセた口調に、洸はメロメロだ。

 洸にぎゅっとされて、美沙もまんざらでもなさそうだった。

 ……帰ったら、俺も、ぎゅっとしてくれ、洸、と思いながら、微笑ましくもあるその光景を見ていたが。

 小さな女の子にちょっと嫉妬している自分も居た。

 我ながら、見境がないと思う。

 まあ、ちょっと可愛いから、こういう子どもが居たらいいな、と思わなくもないが。

 そう思いながら、美沙を見ていると、洸に抱き締められた美沙が、自分を指差し、

「……でも、この人、何処かで見たことあるよ」
と言ってきた。

 ぎくりとしていると、洸の方が低い声で言い、美沙の肩を叩く。
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