俺様社長の重大な秘密
「…え、西園さん、今の冗談ですよね?」

明日は仕事は休み。休日出勤になるのは全く構わない。

だが、西園の言葉に、幸は疑わずにいられなかった。

「…冗談な分けないですよ。社長命令です。明日の西園寺さんとのお見合いに、同行するようにとのことです」

「…休むわけには「…ダメですよ、仮病は」
「…先輩は後輩を守ってくれるんじゃ」

「…社長命令には、逆らえません」

私も出席するようにとの言われてますから。

そんなことを言われて、行かないわけにはいかなくなってしまった。

相思相愛なら、お見合いなんて、する必要はないだろうに。

仲良しの二人を見て、冷静にいる自信など、幸にはない。

とはいえ、

社長命令には逆らえず、気乗りしないまま、次の日、会社まで来ると、西園の運転で、楓の横には幸が座り、重苦しい雰囲気のまま、料亭の一室へ。

案の定、二人はとても仲が良く、幸の顔からはすっかり笑顔が消えていた。



約二時間のお見合いは、ようやく終盤。

「…小百合さん、俺の気持ちと、貴女の気持ちをこの場で言おうではありませんか」

楓の言葉に、小百合は頷いた。

二人は同時に立ち上がり、互いに意中の人の手を掴んだ。

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