キミが可愛いわけがない


「そっか〜芽郁くん、ほっぺじゃなくて口にしちゃったんだ?柚希の口に…」


っ!!!


もう、体の穴という穴から湯気が出て死んでしまうんではないかという状況だ。


なんだよこれ。


なんなんだ。


「…俺、どうしたらいいんすかね」


椅子に座りなおした俺は、顔を手で覆いながら聞く。


あぁ、かっこ悪い。

恥ずかしい。

好きな人の親にそんなこと聞くなんて。


そもそも、キスしてあんな拒まれ方したんだから、完全に振られたようなもんだし。


このまま一生ユズと話さないまま過ごしていくのか?


「芽郁くんは、ちゃんと好きだって柚希に伝えたの?」


「えっ、」


「いや…言葉では伝えてないです。けど…あんなことしたんだから…その俺の気持ちは多少は伝わってると…」


「んー、そうかな?柚希のことだからまた変な被害妄想しちゃうと思うわよ?あの子昔からそういうところあるし」


被害妄想?


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