キミが可愛いわけがない
(side 柚希)


「さっきから何怒ってんのー?」


「………」


「ねぇ、芽郁ー!」


「うるせー!聞こえてるよ!」


「返事しないのが悪いんでしょー!」


休日の午後、いつものように芽郁の部屋で過ごすけど、芽郁はずっと機嫌が悪い。


この前はあんなに優しく私のことを励ましてくれたっていうのに…。


この変わりようはなんなのよ。


「なんで怒ってんの!」


ベッドで寝そべる芽郁に、漫画を投げつけながら聞く。


「別に怒ってないから…今日あれなんだよ、男の子の日」


「そんなもんねーし」


「…あるんだよ〜」


芽郁はそう言いながら、布団をかぶって逃げようとするけど、私は芽郁の引っ張ろうとした布団を奪い取る。



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