キミが可愛いわけがない
「芽郁は男じゃないもん。女みたいじゃん。腕とかほっそいし。筋肉ないでしょ」
「………」
「ふんっ!お前の名前はこれからひ弱芽郁だ!覚えろ!」
「………」
ゴリゴリのガタイのいいラグビー部を半分にしても、芽郁はもう少しヒョロイかもしれない。
「ねぇ〜〜!芽郁、ゲームやろうよ。昨日もやらないで寝たじゃん」
「……」
また拗ねてる。
最近、芽郁はよく拗ねるな。
「…ほら芽郁ちゃん、起きるんでちゅよ〜」
ガシッ
はい?
「…筋肉くらい、あるけど」
「…え」
背を向けて寝ていた芽郁を起こそうと、芽郁の肩に手を置いた瞬間、
芽郁がこちらを振りむいて、私の伸ばした手首を掴んでいた。