私のご主人様Ⅳ

お庭に飛び降りて洗濯物に飛び付くように回収していく。

後から追い付いた暁くんもため息をつきながら手伝ってくれる。怒ったままだったけど…。

「…お前を縛ってんのは、なんだよ」

「…また、それ?」

「俺は、お前がうじうじしてんのが面倒なんだよ」

「ひどい…」

「あ?俺は、親切に教えてやってんだろうが」

暁くんはため息をついて空を見上げる。それにならって空を見上げると、チラチラと舞い落ちてくる白い結晶。

手を伸ばすと、手に触れた途端消えてしまう。

トクトクと音を奏でる思いは、まだ熱を持ったまま。

…熱なんか冷めてしまえ。この雪を受け止められるくらい、冷たく凍りついてしまえ。

そして、いつの日かきれいさっぱり消えてしまえばいいのに…。
< 43 / 289 >

この作品をシェア

pagetop