私のご主人様Ⅳ

嫌な予感がしながら振り向くと、超ご機嫌なお嬢の姿が見える。

…お嬢、まさか。

「お嬢、まさか若とここちゃん2人っきりになってない…よね?」

「ううん!お昼からずっと2人っきり!ねぇ、聞いてよ信洋!私ね、ことねぇのお部屋にカーテン引いて布団敷いといたの!!お兄ちゃん、ことねぇとうまくやってるかなぁ」

「っちょ!?何しちゃってのお嬢!!」

期待をものの見事にぶち壊すどこか、とんでもないことまでしてくれたらしい。

お嬢は何がって言う顔してるし!!

って、ここちゃんが危ないっ!!!

「暁!ここちゃんの部屋どこ!?」

「え?お嬢の部屋の2つ右の部屋ですけど」

「っえ?信洋!野暮なことしちゃダメー!!」

暁から聞き出すなり台所を飛び出す。

冗談じゃないっ!!若が自覚したとほぼ同時にここちゃんと離れてどんだけイライラしてたか!

そのイライラが、本人目の前にしたら欲に変わることなんか目に見えてんだろ!

ここちゃんが若に食われるっ!食いつくされるっ!!!

慣らしてからちょっとずつ2人きりにさせるつもりが、いきなり2人きりにしたらダメだろ!!

若はとにかく、ここちゃんの同意もまともにとるか分かんねぇ。嫌がるここちゃんを無理矢理自分のものにするなんてことも…。

っとにかく、ここちゃんを救出しねぇと!!
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