蜜月なカノジョ(番外編追加)


「あーー、ちょっと直斗! あんたいきなりあたしを置いていくなんてどういうつもりっ?!」

…と、店の奥から出てきた女性がナオさんを見るなりカンカンに怒っている。
その人こそさっきナオさん…ならぬ直斗さんと楽しげに話していた女性だ。
思わずその場に立ち止まって萎縮しそうになったのに気付いているかのように、ナオさんが私の背中を前へと促した。

「…あれっ、あなたは…?」
「あ、あのっ…」

私に気付いたその女性が目を丸くして驚いている。カウンターから出てくると、一気に私の目の前までやって来てマジマジと観察し始めた。

うっ…美女ってそれだけでも迫力が…!
しかも品定めされてるようで居心地が悪いったらない。ただでさえ直斗さんと並ぶには不釣り合いだという自覚があるだけに…視線が痛すぎる。

「おい、カナ。そんなじろじろ見るなよ。怖がってるだろ」
「あ、ごめんごめん。でも人を放置してどっかに消えたかと思えばいきなり女の子連れて来るんだもん。そりゃびっくりするでしょうよ」
「あー、まぁさっきは事情があったんだ。とりあえず座ろうぜ」
「飲み物はどうする? いつものでいい?」
「あぁ」

やっぱり2人は相当親しい間柄のだろう。短い会話の中でも互いへの遠慮がないのがよくわかる。名前で呼び合ってるし、ナオさんなんか完全に素の状態だ。

もしかして、元カノ、とか…?

そう考えた途端チクッと胸に痛みが走った。

< 114 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop