蜜月なカノジョ(番外編追加)

視界にさえ入れなければなんとかなる…!

そう自分に言い聞かせると、声をかけるだけで済むようにと真っ先に通りでタクシーを拾った。もしかしたらかえって迷惑行為になってしまうかもしれないけど、きっと今のその人にとっては助けになると信じて。

そこから先の行動は…今思い出しても信じられないものだった。
いくら顔を見ないようにしていたとはいえ、自分から見知らぬ男性に声をかけるだなんてまずありえない。人助けをしようとして痛い目にあってからというもの、善意を悪意で返されることがあるんだと身に染みて痛感していたから。

なのにあの日の私は本当に不思議だった。
何がそうさせるのか最後の最後までわからないまま、私は最低限度の目的を果たしてその人の前から逃げ出したのだ。



まさかその相手がナオさんだったなんて_____


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