蜜月なカノジョ(番外編追加)
「…ほんとは聞いてたんでしょ」
「……」
「はぁ…。…で? 本気でどうするつもりなのよ?」
「…何が」
「何がじゃないでしょ! 杏ちゃん、あんなに純粋にあんたのこと信頼して…いつまでこのままでいるつもりなのかって聞いてるの!」
「……」
「ナオっ!」
答えるまで追及する構えの葵にはぁっと溜め息をつくと、手にしたばかりの売上げ報告書をパタンと閉じた。
「うるさいわね。言われなくてもわかってるわよ」
「わかってないでしょ。事実あんた達の同居生活が始まって何ヶ月経ったと思ってるの? 日を追う事に杏ちゃんのあんたに対する信頼感は増すばかりで…このままでいいわけがないじゃない。あの子があんたを信頼してるのは、あんたがナオだと思えばこそで、今のままじゃいつかバレ____」
「だからわかってるって言ってるでしょ!」
珍しく語気を強めた俺に葵が口を噤んだ。