蜜月なカノジョ(番外編追加)


『悩殺テクの出番よっ!』


その瞬間脳内に響いたのはその言葉だけだった。


「あ、杏っ??!!!」

もう迷っている暇はなかった。
余裕もなかった。

これまでで一番激しく狼狽したナオさんの声が聞こえたけど、いっぱいいっぱいの私にはもうその声は届かない。
「やるしかない」の脳からの指令に逆らえないまま、一気にナオさんのパジャマを全開にしていた。


「_____っ」


暗闇の中ぼんやり浮かび上がった生身の男性の体に、私は頭の先から爪の先まで硬直してしまった。
目の前のナオさんも合わせ鏡のように硬直している。

けれど自分で襲いかかった以上このままでいいはずがない。
ちゃんとしなきゃ。
ちゃんと、ナオさんを喜ばせられるように頑張らなきゃ。


頑張らなきゃ、頑張ら____

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