蜜月なカノジョ(番外編追加)

な、何この褒め殺しタイム。
私的にはかなり真面目な告白をしたつもりだけど、何故かナオさんはデレッデレ状態になってしまった。

もう一度はぁ~っと溜め息をついてから私の顔を覗き込んだナオさんは、チョコレートもびっくりなくらい甘い表情をしてる。

「このまま頭のてっぺんから足先までバリバリ食べちゃいたいところだけど」
「バリ…食べ…? あっ?!」

突然お尻からフワリと体が浮くと、抱えられたまま窓際の椅子へと下ろされた。
間髪入れずにナオさんが目の前に膝をついて私と同じ目線になる。
跪いたその姿に驚く私に微笑むと、ナオさんは浴衣の袖部分から何かを取り出して目の前に差し出した。

「…え?」

「誕生日おめでとう、杏」
「…えっ?」

目を丸くして驚きの声を上げた私に笑いながら、ナオさんは手元の長方形の箱をパカッと開いてみせた。
その中身を目にした瞬間、これ以上開けないというほどに私の目が見開かれた。

「な、何これ…」
「杏への誕生日プレゼントだよ」
「えっ?」
「そんなに驚くこと?」
「だ、だって、いつの間に私の誕生日を…。それに、こんなにすごいもの…」

ビックリしすぎて呆けた声しか出せない私にナオさんがクスッと笑う。

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