蜜月なカノジョ(番外編追加)
かなり泥酔しているのか、目が据わっている。
早くこの手を離さなければ危険だと脳内が一気に騒ぎ出す。
「ねぇ、お願いだから…!」
「丸山、あんな男で本当に大丈夫なのか?」
「えっ…?」
突然何を言い出すのかと、思わず抵抗していた力を緩めてしまった。
「きゃっ?!!」
その瞬間すごい力で引き寄せられて、前のめりになった体が小笠原君の腕の中に倒れ込むようにしてぶつかった。
すぐにぎゅうっと凄まじい力で背中に腕が回される。
途端に全身に鳥肌が立ち、一気に血の気が引いていく。
「嫌っ…離してっ…!」
「離さない! なぁ、あんないかにも女にもてそうな男でほんとにいいのかよ?! あんなハイスペックな男、本当は騙されてるんじゃないのか?!」
ナオさんに対するとんでもない侮辱に、カッと怒りが湧き上がる。
けれどそれ以上にナオさん以外の男性に抱きしめられているというこの状況が、私から冷静な判断を奪っていってしまう。
吐き気がするほどに気分が悪くなっていく。
ただただ気持ち悪い。
細胞の末端まで、全てで彼を拒絶している。