蜜月なカノジョ(番外編追加)

それは全てナオさんの優しさが作り出してくれている「日常」なのだと思う。
本当に、心の底から私を大事にしてくれているナオさん。
あの出来事があったからこそ、尚更そのことを実感する日々だった。

「そろそろ帰って来る頃かな…お汁あっためておこっと」

あの日と同じように足取りは軽い。
それもそのはず。今日はナオさんのお誕生祝いの仕切り直しなのだから。

普段から多忙なナオさんだけど、ここ最近はさらにその忙しさを増していて、帰って来るのも夜遅いことが多かった。騒ぎですっかりなかったことになってしまったお祝いだけど、私の中では絶対に仕切り直しをするんだ!という野望に満ち溢れていた。
そんな中で久しぶりに早く帰れそうだと言われた今日、大はりきりで準備をしたというわけだ。

ナオさんはお祝いなんていらない、私がこうしていてくれるだけで充分幸せだって言ってくれたけど、やっぱり私だってナオさんにできることはしたい。そうしてナオさんが喜んでくれる姿を見たい。
そんな気持ちでいっぱいだった。


「杏ーーーっ、ただいまぁーーーーーっ!!」


帰ってきたっ!!

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