蜜月なカノジョ(番外編追加)


「…な、何これ…」

入るなり案の定ナオさんは驚きに固まっている。

「予定より遅くなって申し訳ないんですけど、ナオさんのお誕生日のお祝いをしたいなってずっと思ってたんです。私にできることなんて限られてますけど、それでも自分にできることで精一杯普段の感謝を届けたいなって思って…」
「……」

本音だけどあらためて口にすると恥ずかしい。
ぽりぽりと頬を掻いて照れる私をナオさんはしばらく呆然と見ていた。

…けれど。

「杏っっっっっっっっっっっ!!!!!!」
「きゃあっ?!!!!」

大喜びして凄まじいハグをされるのはまぁ想定内。

…だけど!

「杏っ、杏っ、杏ーーーーーーーーーーっ!!!!」
「な、ナオさんっ??!! ひえぇえぇっ??!!!」

歓喜のあまりお姫様抱っこをされてクルクル回されるだなんて想定外。
っていうか目がっ、三半規管がっ! 目が回るぅ~~~~っ!!!


「はぁ~~~っ、もう本当に幸せ…。杏ってばほんとにどうしてこんなに可愛いのっ?! 杏に出逢えたことは私にとって奇跡だわ…」
「ぞ、ぞうですか…」

やっとクルクルタイムが終わった頃には多分私は半分死んでたと思う。

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