koi × koi
ーーキキーっ、ガチャっ

「着いたわよ!!!」

里香がエンジンをとめて言った。

「・・・ホテル??」

不思議そうに陽が呟くと、

「さぁ!はやく行くわよっ、陽っ!」

と言って、里香は陽の背中を押して車からおろした。

ーーーザワザワ、ザワザワ

一流ホテルとだけあって、エントランスも豪華な仕様になっている。

ズンズンと進んで行く里香に置いていかれないように、陽は里香のあとをついて行った。

里香は案内板で何かを確認すると、

「ほら、陽!置いて行くわよ!」

と行って、エレベーターに乗り込んだ。

「ちょ、ちょっと、待ってよ〜っ」

陽も里香のあとを追って、慌ててエレベーターに乗り込む。

ーーーチーン、37階でございます。

「ここよ、陽、ほらほらっ」

そう言って、里香は陽の手をひいてエレベーターから連れ出した。

そして、「BIG ROOM」と書かれた部屋の前に来ると、受け付けらしき男性に2枚の半券を渡した。

「佐藤様と、ご友人の方でございますね。どうぞ中へお入りください。」

男性がそう言うと、里香は部屋の中へと入って行った。わたしも慌てて里香を追いかけ、受け付けらしき男性に軽く会釈をして、部屋の中に入った。
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