観覧車のモノローグ
「本当は気づかれないまま、1週間、あなたの顔が見れればそれでよかったのに。欲張りだよね」
「そんなことは・・・」
「だって、あの日に別れを告げたのは、私の方だったのに。それでも、会いたかったなんて。本当の私はね、今は病院で眠っているの」
「何でって、聞いてもいいのかな?」
「あの日、あなたと別れた後、ドジっちゃってね。車道に飛び出しちゃったみたい。で、病院に運ばれたんだけれど。そのまま意識が戻らない状態なんだって。何で自分でわかっているかというとね、病院に運ばれた後、そんな自分を見ていることに気がついたから。戻りたいのに戻れない。どうしたらいいかわからなくて」
哀しげな瞳は今は閉じられている。
触れたいのに、その手を伸ばすこともできない。
「そうしたら、あなたのことを思い出して。ずっと探していて、やっと見つけた。本当のわたしはここに来た時と同じ、あの髪の長さなの。だから、あなたがわからなくても、当然だった。でも、気づいて欲しかった。このままの状態が長く続けば、本物の私はどんどん弱っていって、本当にあなたに会えなくなってしまうから」
やっとの思いで手を伸ばした。
思ったとおりに彼女には触れられなくて。
それが彼女が話すことが真実なんだと思い知らされる。
「会いたい・・・」
「え?」
「俺はもう一度、現実の君に会いたい」
「うん。私も会いたいよ。あなたに触れたい」
「きっと、戻れるよ。君が俺に会いたいと強く思ってくれるんなら。俺も強くそう願うから」
「ありがとう」
彼女が近づいてくるのが、わかった。
実体はないけれど。
「そんなことは・・・」
「だって、あの日に別れを告げたのは、私の方だったのに。それでも、会いたかったなんて。本当の私はね、今は病院で眠っているの」
「何でって、聞いてもいいのかな?」
「あの日、あなたと別れた後、ドジっちゃってね。車道に飛び出しちゃったみたい。で、病院に運ばれたんだけれど。そのまま意識が戻らない状態なんだって。何で自分でわかっているかというとね、病院に運ばれた後、そんな自分を見ていることに気がついたから。戻りたいのに戻れない。どうしたらいいかわからなくて」
哀しげな瞳は今は閉じられている。
触れたいのに、その手を伸ばすこともできない。
「そうしたら、あなたのことを思い出して。ずっと探していて、やっと見つけた。本当のわたしはここに来た時と同じ、あの髪の長さなの。だから、あなたがわからなくても、当然だった。でも、気づいて欲しかった。このままの状態が長く続けば、本物の私はどんどん弱っていって、本当にあなたに会えなくなってしまうから」
やっとの思いで手を伸ばした。
思ったとおりに彼女には触れられなくて。
それが彼女が話すことが真実なんだと思い知らされる。
「会いたい・・・」
「え?」
「俺はもう一度、現実の君に会いたい」
「うん。私も会いたいよ。あなたに触れたい」
「きっと、戻れるよ。君が俺に会いたいと強く思ってくれるんなら。俺も強くそう願うから」
「ありがとう」
彼女が近づいてくるのが、わかった。
実体はないけれど。