春色のletter
その翌週、体育祭の全学年での練習があった日だった。
「うっ!」
全員が走って集合する時、隣の人の肘が、たまたまみぞおちに当たった。
息ができなくなって、その場にうずくまった。
「どうしたの?」
近くにいた音楽の先生が気付いて私を抱えて、まずは芝生のところまで行かせてくれた。
「少し横になってて。落ち着いたら保健室に行きましょう」
「…はい」
「ごめんね…」
肘を当てた女子が傍にひざまづいて、心配そうにのぞき込んでいた。
「あなたはもういいから。列に並びなさい」
「ほんと、ごめんね」
その娘は先生に促されて、何度も手を合わせながら走っていった。