春色のletter

その日の夜に電話は来なかった。


だからそれ以来、私は落ち着かなかった。


学校にいる時は、電話がないことがはっきりしてるので、いてもたってもいられなかった。


受験とかなんとかで登校する生徒が減っていて、先生もいまいち予定消化のためだけの授業と化している。


そんな中で、授業に集中できる訳もなく、「なんで私はここにいるんだろう?」とばかり考えていた。


ハルの方は、講義があるにしても、日中も自由があるはず。


まだ高校生という立場が鬱陶しく感じた。


夜は、8時には必ず電話のある居間にいた。


なんとなくそわそわしている私に、きっと母も何かを感じていただろう。


たまに私を見た後、ため息をついていた。




そして、今日か今日かと待っていた金曜日の夜8時、その電話が鳴った。
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