春色のletter
その日、ハルは車で来ていた。


大学の駐車場に停めたその車は、日頃見かける軽自動車よりもさらに小さく感じた。


「なんか、すごいね…」


塗装が所々はげていたし、かなり古い感じを受けた。


「まあ、2万円で買った車だし、動くだけでも不思議なんだ」


「あはははは…」


助手席に座ると、幅も狭くて、ハルにくっつく感じだった。


ハルが乗った時、彼の二の腕が触れてどきっとした。


「狭いよね。ごめん」


「ううん」


車は古いけど、二人っきりの空間に、私はホッとしていた。


「まだ時間はいいよね?」


「うん」


「じゃあ、ちょっとドライブね」


彼はいつもバイクで飛ばしているという峠道の方へ向かった。
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