春色のletter
「変な一日になったね」


送ってくれる車の中でハルが言った。


「ううん。すごく楽しかったよ」


「そう?」


「うん」


ハルは私の顔を見ると、ホッとしたように笑って、また前を向いた。


今日は、二人だけでいる時に感じ始めていた「もうすぐお別れ」という寂しさを忘れることができていたと思った。


私は窓の外を流れる景色を見た。


しばらく見つめていたけど、そのスピードが速すぎる気がした。


(もっと、ゆっくり…ゆっくり…)


でも、そんな時間もなかった。
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