春色のletter
「あの…ここ、柴田さんのお宅でしょうか?」


「ああ…」


そう言った後、ガチャっと切れる音がした。


ちょっとして、ドアが開いた。


「柴田さんのお知り合い?」


「ええ、まあ」


「彼、ちょっと前に引っ越したのよ。私、大家だけどね」


「え?」


「おや、聞いてなかったのかい?まあ、急だったからね」


「えっと、どこに引っ越したんでしょうか?」


「詳しくは聞いてないのよね。都内は都内じゃないの?急いでいる様で敷金も精算はいらないって言ったから、特に連絡先も聞いてないのよね」


「そうなんですか…」


「ここ新しい人が入るからちょっとお掃除してたのよ」


「…そうなんですか」


その後の大家の話は聞いてなかった。



目の前のドアがやっと開いたら、その先は崖で、そのまま落ちた感じ。
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