HARUKA~恋~
マネージャーの仕事は私の想像以上に大変だった。
今まではマネージャーがいなかったため、部員たちで遣り繰りしていたことがほぼ全て私に回って来たのだ。
朝、昼、放課後と3回も練習をしているためにTシャツの洗濯の量がハンパない。
1年生の男子に手伝ってもらい、1日に2度洗濯機を回す。
後輩に洗濯物を干してもらっている間に今度は飲み物の準備をする。
1日3回の練習では、部員たちが各自持参した水筒がいくら2リットル級であってもあっという間に飲み干してしまうので、私が作るのは足りない分だ。
部員たち1人1人から好みを聞き出して塩味が強いスポーツドリンクタイプ、甘さ控えめスポーツドリンクタイプ、麦茶タイプの3タイプに分けた。
これを毎日作るのは至難の業だけど、カフェでバイトしていることもあり、ドリンク作りは慣れたもので、全然苦にならず、淡々とこなしている。
そして、ボール磨き。
これは私とレギュラーメンバー以外がローテーションで行っている。
“練習を本番と思ってやれ”なんて良く言われるから、私達はレギュラーメンバーがいつでも良いパフォーマンスが出来るよう、毎日毎日ボールに願いを込めながら一生懸命磨いている。
「よーし、今日はここまで!ミーティング始めます」
キャプテンの遥奏がコートの外に部員たちを集め、ミーティングを始める。
この時の遥奏は、私と2人きりの時とは違う表情を見せる。
キャプテンとしてチームを背負っているという自覚が、その背中、横顔、話し方から伝わってくる。
遥奏を見ていると自分も頑張らなきゃなぁと思わされる。
バスケのルールも全く分からない私を温かく迎え入れてくれたバスケ部の皆のためにもっともっと努力して、早く一人前のマネージャーにならないと…。
私は日々自分を奮い立たせてマネージャー業務をこなしているのだ。
「じゃあ、解散!!また明日頑張ろう。お疲れ様」
蜘蛛の子を散らすように、一斉に部員たちが部室に向かう。
部室の掃除も朝、昼、放課後毎回行っている。
それに気づいて、私にお礼を言ってくれるのは大抵1、2年生。
3年生にもなると先輩風を吹かせることで頭がいっぱいで、基本的な、でも最も大事なことを忘れてしまうらしい。
そう感じる時、私の胸の中の風船はシューッと音をならしながらしぼんでいくのだ。
「ハル、お疲れ。片付けしたらすぐ行く」
「おい!!俺も仲間に入れてくれ!!」
「宙太先輩、邪魔しちゃまずいですよ。俺たちと帰りましょう」
宙太くんは相変わらず私達の邪魔をしてくる。
いかなる時も彼はインベーダーで在り続ける。
そんな彼を横目でシラーッと一瞥し、私と遥奏は体育館を後にするのであった。
今まではマネージャーがいなかったため、部員たちで遣り繰りしていたことがほぼ全て私に回って来たのだ。
朝、昼、放課後と3回も練習をしているためにTシャツの洗濯の量がハンパない。
1年生の男子に手伝ってもらい、1日に2度洗濯機を回す。
後輩に洗濯物を干してもらっている間に今度は飲み物の準備をする。
1日3回の練習では、部員たちが各自持参した水筒がいくら2リットル級であってもあっという間に飲み干してしまうので、私が作るのは足りない分だ。
部員たち1人1人から好みを聞き出して塩味が強いスポーツドリンクタイプ、甘さ控えめスポーツドリンクタイプ、麦茶タイプの3タイプに分けた。
これを毎日作るのは至難の業だけど、カフェでバイトしていることもあり、ドリンク作りは慣れたもので、全然苦にならず、淡々とこなしている。
そして、ボール磨き。
これは私とレギュラーメンバー以外がローテーションで行っている。
“練習を本番と思ってやれ”なんて良く言われるから、私達はレギュラーメンバーがいつでも良いパフォーマンスが出来るよう、毎日毎日ボールに願いを込めながら一生懸命磨いている。
「よーし、今日はここまで!ミーティング始めます」
キャプテンの遥奏がコートの外に部員たちを集め、ミーティングを始める。
この時の遥奏は、私と2人きりの時とは違う表情を見せる。
キャプテンとしてチームを背負っているという自覚が、その背中、横顔、話し方から伝わってくる。
遥奏を見ていると自分も頑張らなきゃなぁと思わされる。
バスケのルールも全く分からない私を温かく迎え入れてくれたバスケ部の皆のためにもっともっと努力して、早く一人前のマネージャーにならないと…。
私は日々自分を奮い立たせてマネージャー業務をこなしているのだ。
「じゃあ、解散!!また明日頑張ろう。お疲れ様」
蜘蛛の子を散らすように、一斉に部員たちが部室に向かう。
部室の掃除も朝、昼、放課後毎回行っている。
それに気づいて、私にお礼を言ってくれるのは大抵1、2年生。
3年生にもなると先輩風を吹かせることで頭がいっぱいで、基本的な、でも最も大事なことを忘れてしまうらしい。
そう感じる時、私の胸の中の風船はシューッと音をならしながらしぼんでいくのだ。
「ハル、お疲れ。片付けしたらすぐ行く」
「おい!!俺も仲間に入れてくれ!!」
「宙太先輩、邪魔しちゃまずいですよ。俺たちと帰りましょう」
宙太くんは相変わらず私達の邪魔をしてくる。
いかなる時も彼はインベーダーで在り続ける。
そんな彼を横目でシラーッと一瞥し、私と遥奏は体育館を後にするのであった。