美称・臥龍 喬子の生き様
出会い
そんな、
劇的に変化した日から 3ヶ月が過ぎた頃





喬子は、ひとりの男性と出会う。





それは、喬子がプライベートにふらっと立ち寄った
夕暮れ時の 古本屋で。



入ってすぐの所で 本棚を見上げている
長身で 黒縁眼鏡を掛けた 勤勉な雰囲気の男性に、
喬子は、釘付けになった。

まさに、喬子のタイプ。



時間が止まったように
男性に釘付けになっていた喬子… だが、

ハッと我に返り、
急に 恥ずかしくなり、相手に気付かれる前に
慌てて 目を逸らした。




クラブの御店では、御客の男性どもが 喬子に釘付けになるほうなのだが、

喬子のプライベートは、まさに 別人。



美人には変わりないのだが、
プライベートは、真逆に シャイで 地味な女性。



喬子本人にとっては、これは、誰にも気付かれず
凄く居心地の良いことで、

成り切ってやる仕事モードと 素に戻れるプライベートの両立は、面白く自然に出来た、
本来の喬子を保て、楽で大事なことだった。





喬子は、
男性と同じ棚で 静かに本を選びながら、

本選びに夢中になっている男性を 横目に感じ、
同じ空間での
ちょっとしたときめきの感じられる、
幸せな時間(とき)に浸った…














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