美称・臥龍 喬子の生き様
春の訪れ
どちらからともなく、
自然な感じで想いを告げたふたりの交際は、

穏やかに 始まった。






しかし、それも束の間。





夜の世界で上を目指す喬子は、
仕事モードに切り替えると それはそれで熱心で。





慎平に決して見せず 告げていないといえども、

慎平には、感じ取るものがあった。




けれども、

決して 喬子に尋ねることは、しなかった。






出会ってから、喬子を見てきて、喬子と語ってきて、
喬子の 真面目で 清潔で 熱心な人柄を感じ取っていた慎平は、



“彼女は…、自分の人生に 挑んでいるようだ…
人生と、戦っているようだ…”



と、
まるで、喬子の小説を読んでいるかような趣で、
喬子を そっと 見守った。
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