幸せの構図
セミリタイヤ
朝起きると、ハダカで隣に寝ていたはずの彼女が私のワイシャツ一枚だけ羽織って台所にいた。

ここは穂高の連山を望む上高地にほど近い別荘地のコテージ。
木の香りが懐かしい。

馴染むようにコーヒーの香りが漂う。

「おはよ」

まだハダカの私のベッドサイドにひざまずきキス。

「あんなに暴れたのにこんなに元気になってるぅ♪」

しかし布団にもぐらせた手はほんの一瞬。
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