幸せの構図
でもひろし君はきっとコテージで待っていて、私が帰ってきたらこう言うんだ。

「りつこ、おかえり。荷物はもうまとめてあるから、ほれ、帰るぞ」

そして車の中で一言だけ。

「すーちゃんのこと、少しはわかったか?」

これはなよなよした優柔不断な男には言えない、できない言動。そして私を心から愛している男にしか言えない言葉。

そんな私の妄想を断ち切るように10時を知らせる時計の音がどこからか聞こえた。

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