幸せの構図
私たちは何杯もコーヒーをお代わりし、私はひろし君のこと、長野でのこと、日記のこと、ひろし君を置いてきたこと、連れて来られたようにここに来たこと、全てそのまま話した。先生は笑顔を絶やさず、うなずきながら聞いてくれた。間に質疑応答があり、一生懸命聞いてくれる先生の気持ちが嬉しかった。

時間は夜の9時をすぎていた。

「先生・・・まだ平気?」

先生は首を可愛らしく横に傾けながら

「これから私があなたに教える番でしょ」

にっこりと言ってくれた。

先生はすーちゃんのことを話し始めてくれた。灰皿が似合わない先生の吸い殻で一杯になっていた。
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