幸せの構図
りつこは安堵のため息をついた。しかし直後にはこれから取る予定していた行動のことを思い、心臓がバクバクしてきた。

ケータイを取り出し短縮ダイヤル9を押した。呼び出し音が3回。すぐに電話がつながたった。

(出るの早いよ。心の準備っちゅうもんがあるだろう!)

しかし勢いにまかせて電話でもしないと躊躇してしまいそうだったという自己矛盾もまた本当だった。

りつこは平静を装って切り出した。

「もしもし、ひろし君♪久しぶり」

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