幸せの構図

「なんてきれいなの」

目の前に広がる夜景の美しさに圧倒されていた。

函館の夜景も神戸の夜景も東京タワーからの夜景も確かに美しい。見る者に感動を与えてくれる。しかしりつこは今目の前に広がる風景に新鮮さを覚えていた。有名な夜景スポットには沢山の人が訪れる。その場所そのものにも雑多な残存思念も漂っていることだろう。そしてひろし君と見解の一致をみた考え方なのだが、風景そのものさえ、あまりに沢山の人に見てもらえて善き思念が宿ることも多いだろうし、賞賛を浴びることによってさらに美しくもなろう。それは絵画などの美術品にも共通している。
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