幸せの構図
「お前らしいな。でもご両親が亡くなったのは本当に残念だよ」

「はい、2年生の時に一緒に麻雀してくれましたもんね。親父、言ってましたよ。後藤君は強いな、って」

「でもお父さんにはかなわなかったなぁ」

「あの時は・・・本当に嬉しそうでした」

「ありがたい・・・ところでな、今のお前に言うことじゃないかもしれないが・・・」

「なんでしょう」

「すーちゃん、今どうしてるか知ってるか?」

「いえ・・・すーちゃん・・・懐かしいです」

「お前らは結婚するもんだと皆が思ってたからな」

「はい、みんな私がいけないんです」

「まぁ、その話はもう時効だろう。あのな、彼女最近結婚したらしいんだ。」

「最近っていつですか?」

「今年にはいってかららしい」

「そうですか・・・よかった。本当によかった」

「これでお前も安心だろ」

「はい、後藤さん、ありがとうございます」

「うん、何よりもこのことをお前に伝えたくてな。お前が長野に来るっていうから、俺が実家に行けばいい話しなんだけど、なかなか仕事の都合でな。わざわざ東京まで呼び出したりしてすまなかった」
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