三次元に、恋をした。
恋がしたいだの彼氏がほしいだの、そう嘆いているのは決して私ではない。

という事だけはしっかりお伝えしておきたい。

「聞く相手、間違ってない?」

「もぉ〜 先輩に聞いてるんですよ?」

「ごめん。興味ない」

「いつもその一点張りじゃないですか〜 」

そうわかってるのなら聞かなければいいのに。

25歳という脂がのって売れどきであろう、白石 愛莉(シライシ アイリ)は私の後輩にあたる。

名前と同様、愛らしい笑顔に小柄で無造作に結われたゆるふわな髪は今流行りの抜け感が可愛いらしい。

まるで漫画から出てきたような童顔な顔立ちは誰もが羨むルックスだ。
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