信じることはとても愚かで美しい。
「じゃーね!菜緒ー」
「うん、バイバイ。」
暗い帰り道をゆっくりと歩く。
…あの後、隣町へ行ったものの、双竜の関係者に会うことはなかった。
それに、双竜に対してビクビクしていたのもいつの間にか忘れていた。
友達っていいなぁ。
しみじみ、そう思った。
双竜に信じてもらえなかったあの日から人と関わることを無意識に避けていた。
傷つきたくない。
そう思ってた。
だけど、今日はあの日から初めておなかを抱えて笑った。
少しだけ…私は変われてきてるのかな?
そう思うと自然と顔がほころんだ。
…そのとき、私はまた裏切られることになるなんて考えてもいなかったんだ…。