俺様御曹司とナイショの社内恋愛
「はい、相手あってのことなので。
たとえば、ブランドものだったらお金を貯めれば買えるし、フルマラソンに挑戦するとかも、努力すれば叶うことだけど。
普通の女性は、王子様みたいな男性と恋に落ちることってないですから」

「俺は恋愛で難しいって感じたことがないから」

・・・会話が終わってしまった。
そりゃ、あなた様におかれましてはそうでしょうけど。


ランチにと連れてこられたのは、老舗のホテルの中にある洋食屋だった。

白石はメニューを見ずに、「いつものやつ、ある?」とウェイターに聞いた。

ございます、という返事に、心なしかはずんだ声で「よかった、じゃあ二つ」と告げる。

ホテルのレストランが馴染みなのか、さすがは御曹司。
ところで “いつものやつ” って幾らだろう。
< 20 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop